萬年山 東陽寺

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住職のひとり言

自然写真家 高砂淳二さん

朝のテレビ番組で自然写真家で有名な高砂淳二さんの特集を見ました。放送の中で高砂さんは、写真家としての原点・心構えをハワイの先住民から教わったと話しています。「人が自然と向き合う時に、大切な心掛け・精神は【アロハー】である」。アロハーと聞くとハワイの挨拶をイメージしますが、この言葉には『やさしさ・協調性・思いやり・謙虚さ・忍耐』を表す意味が含まれているそうです。高砂さんは以前は写体に向ってがむしゃらに撮りまくっていたそうです。しかし先住民の話を教わってから、力を抜いて自然に溶け込むことを第一としたそうです。普段から絶え間なく努力を続け、愛をもって自然と向き合う…その成果か分かりませんが、ハワイで高砂さんは非常に珍しい【夜の虹】と出会うことができたそうです。

 

僧の世界でも同様に『①努力・修行を続けること』『②力を抜いて自然に溶け込むこと』の大切さを説いた言葉があります。【百尺竿頭に一歩を進む】 この言葉の意味は『①高い竿に上り詰めたところで、そこからさらに一歩進め』『②ただひたすら思い切って身心ともに放下すべき』となります。

 

私は日々の生活で【普の心】を磨くことに励んできました。『【普】 あまねく・広く・普通。  仏の真髄・宇宙根本の真理は、世界のいたるところで普く現れている』。毎日の決まった生活の繰り返し・この普通をどれだけ丁寧に大切に行えるかが僧の修行のポイントです。修行の歩みを止めずに、心・体を空っぽにして自然と一体化する・身心を放下する…なかなか難しいものですが、今後も精進を続けていきたいと思います。