萬年山 東陽寺

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住職のひとり言

マスクについて

コロナウイルス感染症の位置づけが2類から5類に移行する方針が発表され、日本でも行動基準が大きく見直されるという報道がありました。マスクの扱いも個人の判断で扱う事が決定されましたが、まだまだ日本人にとってマスクの出番は多いだろうと私は予想しています。そんなことを考えている時、少し前に掲載された【マスク投棄、世界で急増】という新聞記事を思い出しました。

 

2020年、海に流れ込んだ使い捨てマスクは15億6000万枚以上で世界のマスク生産高の約3%に当たるそうです。これが原因で下水道関連のトラブルが世界中で起きているようです。特にバングラデシュでは大雨により国土の3分の1が浸水という大規模災害が起きましたが、浸水の長期化の原因の一つとして廃棄マスクが排水溝を詰まらせていることを挙げています。また使い捨てマスクが野生動物の生息地に入り込み、マスクの紐が野鳥やカニに絡みつくという被害が報告されています。これに対して英王立動物虐待防止協会は、マスクを捨てる時は紐をはさみで切るようにと呼びかけています。

 

マスクを捨てる際に紐を切るという環境への気遣いも大切ですが、それ以前に使い捨てマスクに対しての扱い・物を大切に扱うという点で反省すべき事が私にはありました。「朝、新しいマスクを出したが見つからない。なくしたものは使い捨てだし、新しいものを使おう…。」こういった経験が過去に何度かあるというレベルなら仕方がないかもしれません。しかし、こういった出来事が日常的または一日に何回も起きているようでは改善が必要です。皆さんは如何でしょうか?

 

今回は使い捨てマスクの話題・環境問題などについて触れましたが、改めてSDGsの重要性を思い出す機会となりました。マスク1つとっても世界共通の課題が見つかります…国という枠組みを越えて解決・改善すべき問題は山積みです。そういった問題に対して各国・各企業・各個人が損得勘定抜きで真剣に向き合うことが出来れば、問題を解決するだけではなく相互理解を高めるきっかけとなると私は信じています。