萬年山 東陽寺

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住職のひとり言

戦後の安保転換

日本の戦後は日米安全保障のもとに平和が保たれてきました。しかし「この平和が今後も続くのか?」という疑問がここ数年で大きく芽生えてきました。ロシアによるウクライナ侵略戦争、北朝鮮によるが弾道ミサイル国内上空通過、中国による弾道ミサイル排他的経済水域落下、韓国との火器管制レーダー照射問題…武力による脅威が日々強まっていると感じています。

 

『国民と領土を守る事が主権国家の責務』と言われる中、欧州ではNATOを中心に国内総生産比2%を防衛費に充てる動きが見られています。令和4年末、岸田首相も「防衛費を2027年度に国内総生産比2%に増額する」と指示しました。財源問題などありますが、政府は大きな決断をしたと思います。また防衛3文章の改訂に伴い、相手領域への反撃能力の保持が認められました。これは戦後における安全保障の転換点です。

 

身の回りに危険を感じたら防犯意識が高まり対策をとる…これは個人・国レベルで考えてみても当然だと思えます。冒頭にも述べたように近年の世界状況を踏まえると防衛力強化も仕方なしとは思えますが、その上で日本の平和の在り方+世界平和についても考える必要性があります。今回の決定は一時的な防衛力強化であり、各国との対等な対話を築くための措置であってほしいものです。決して継続的な武力強化を認めたわけではないはずです。そうならないためにも、【政府】及び【常設統合司令部】には正しい判断・管理が求められます。特に【常設統合司令部】に対しては監査・抑止をする組織が必要に感じられます。各分野(会計・法律・情報セキュリティー・平和など)における専門職を集めた独立監査法人を設立し、主な役割として以下のようなものを提案します。

①防衛3文章を推進する趣旨に反していないか・平和の精神を重視されているかを判断。
②予算と実績の把握。無駄遣いはないか、予算減の可否を判断。
③国家秘密と情報公開の基準作り、国民に情報を公開する。

 

一度増えてしまったものを減らすことは何事においても難しいものです。しかし各国が日本同様に防衛力強化、または外交における発言力をもつために軍備強化という流れが起きてしまったら、世界・日本の平和は遠ざかっていきます。日本は、しっかりとした防衛力を備え不当な要求は受け付けないことを示す+どんな相手でも対等な対話をする国、軍事力の規模により優劣関係ができることを否定する存在を目指して欲しいです。