萬年山 東陽寺

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住職のひとり言

【フレンド・ショアリング】と【パラダイム】

世界経済のグローバル化の流れが大きく変調しています。共通の価値観がある国・信頼できる国に限定した経済活動【フレンド・ショアリング】が世界で起こっています。この動きはロシアのウクライナ侵略戦争によって更に加速化され始めました。平和の為に、戦争を終結する為に、世界がロシア経済を締め出す動きもフレンド・ショアリングと言えます。今回の侵略戦争に対しては、多くの国がNOという共通認識を持てましたが、今後の共通の価値観とは何かが問われると感じました。

フレンド・ショアリングの問題は、同志国とみなさない国々との分断がますます進行することです。各国の価値観は多種多様で、今後のフレンド・ショアリングは複雑な関係性を世界に生み出すと言われています。世界の価値観に大きな分断を作らないためにも、【パラダイム】が重要だと思います。【パラダイム】とは時代の規範となる「物の見方や捉え方」のことです。人間はどう向かうべきか・世の中の人々が共通して感じる世界共通の【パラダイム】が必要です。

このパラダイムに仏教は大きなヒントを与えていると感じます。
・小欲知足で精進せよ。
・自分のものさしで測って、差別することを止めなさい。
・物事は縁起によって動かされている。そして人間はあらゆるものから恩恵を受け生かされている、その縁を大切に生きなさい。 等々
世界の人々・ロシアの人々に、この仏の言葉が届くことを祈ります。